協会ニュース
「タッシリ・ナジェールの先史壁画 - アンリ・ロート調査隊の足跡をたどる」(写真家・英隆行氏による講演会)
2025年9月26日(金)、当協会会員の英隆行氏による「タッシリ・ナジェールの先史壁画 -
アンリ・ロート調査隊の足跡をたどる」と題する講演会が在京アルジェリア大使館にて開催されました。
講演に先立ち、同日信任状を捧呈されたトゥフィック・ミラット大使が歓迎の挨拶を行いました。
タッシリ・ナジェールは首都アルジェの南約1,500kmに位置し、タッシリ(プラトー/台地)に先史時代の主要な壁画が集中している地域です。
英氏は、会社員として駐在していた1980年に初めて訪れて以来サハラ砂漠とタッシリ・ナジェールに魅せられ、今日まで計7
回にわたり同地域で様々なサハラ砂漠の自然や先史岩壁画を主なテーマとして壁画調査を行っています。
昨年11月に駐日アルジェリア大使館主催で開催されたアルジェリア革命70周年記念「タッシリ・ナジェールの先史岩壁画」写真展は、2013年、2014年に行われた壁画調査ツアーの成果を展示したものでしたが、今回は2022年から2024年に行った壁画調査旅行で、1956年から1970年にかけて派遣されたアンリ・ロート調査隊による850点の壁画模写が制作された場所を探し出してGPSで座標を特定することが目的でした。
2024年にイヘーレン大壁画を訪れた際の、肉眼では見えにくくなっている部分の現状の写真と、ロート隊の模写、鮮明化画像処理した写真を比較分析はとても印象深いものでした。
そして、6,000年以上にわたって様々な民族によって描かれた多様性、日常生活から精神世界までカバーする題材の広がり、美術性の高さなど、タッシリ・ナジェールの先史壁画の魅力を余すところなく説明いただいた講演でした。
最後に質疑応答が行われ、講演会後に大使主催の懇親会が行われました。
(なお、参考までに英氏提供の講演資料のPDFのURL
https://hanafusa.info/docs/Lhote2022-24.pdf 添付します)