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2025.4.8
「進出日本企業から見たアルジェリア経済の現状-テブーン政権2期目の展望」(茨木博史・伊藤忠商事アルジェ駐在員事務所所長補佐によるオンライン講演会)

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2025年4月4日(金)18時より、茨木博史・伊藤忠商事アルジェ駐在員事務所所長補佐によるオンライン講演会「進出日本企業から見たアルジェリア経済の現状-テブーン政権2期目の展望」を開催しました。
今回は現地アルジェリアから、2024年9月に再選を果たし2期目を迎えたテブーン政権のアルジェリア産業および経済の課題と展望について、1期目の成果も振り返りつつ、様々な角度から生の声をお届けする貴重な機会となりました。
講演では、アルジェリアが経済成長に伴い、2024年に世界銀行の所得水準別分類で、「低中所得国」から「高中所得国」に移行するも、依然として炭化水素の輸出が経済の柱:輸出収入の90%超、国家予算の45%を占めていることや、長年赤字が続いていた貿易収支が、輸入削減と国内産業(肥料、鉄鋼、セメント等)の育成・輸出促進の努力により、2021年以降黒字に転化したことなどが説明されました。
一方、現在炭化水素に頼っている状況から脱却するために、欧州とのグリーン水素開発プロジェクトや鉄鉱・リン鉱開発プロジェクトが進められているとのことです。ただし、炭化水素の国内需要が年々増えている状況から、上記大型プロジェクトが軌道に乗るまでの間どうしていくのか、すなわち、再生可能エネルギーによる国内消費の代替や新たな鉱床の開発を進めて輸出向けの炭化水素の量を確保しつつ、他の産業もさらに育成していくことが、喫緊の大きな課題となっているとのことです。
講演後、西サハラ問題やアルジェリア・フランス関係、中国企業の進出等について活発な質疑応答がなされました。


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